サウナグッズの研究室 サウナパンツ

サウナパンツも愛でたい-2

こんにちは!

「サ研」ことサウナグッズ研究室です。

今回は去年好評を博しました「サウナパンツも愛でたい」の第二弾です。

お時間あればぜひ読んでってくださいませ〜。

サウナパンツとはなんなのか?

詳しくは前回の記事も併せて読んでいただきたいのですが、

「サウナ内で履くパンツ」のことです。

これまでの取材を元に、想像を交えて書きますが

関西のサウナの名門ニュー○ャパン系列さんから

「サウナ内で周囲の視線を気にせず、快適に過ごせるパンツを作ってくれ」

という要望を受け

これまた関西にある「温浴施設向け衣料メーカー」が作ったであろうパンツが「サウナパンツ」と呼ばれています。

おそらく当時のサウナは取引先などと一緒に商談まじりに使用する用途も多く、そういう相手の”サイズ感”とかは別にお互い知りたくもないよね。というような背景ではないかと推測します。


前回の記事でも書きましたが、

・形(型紙)

・生地

・縫製仕様

が使用用途に対して適切かつ贅沢で素晴らしい完成度と言えると思います。

また、それが生まれる根っこの部分に「日本的な機能美」「海外からきた実用性」が共存しているということにも注目しました。

そうして生まれたサウナパンツは結果的に

その着心地や、扱いやすさから、愛好家や関係者がそのまま自家用に使っているくらいのクオリティにつながったわけです。

僕のストアでは、そういう”良さ”を損なわないように”普段使い用”に使いやすくアップデートして2020年夏から販売してきたわけですが、かなりの数の”サウナパンツァー”=サウナパンツ愛好家 に好評いただけたかなと思っています。

本当にありがたく、めちゃ嬉しいです。

ハマる人は一枚目で「最高!」となり、リピート購入してくださる方がとても多いです。

今ではいろんな生地や形でリリースしています。

最近だと世界の柳橋モデルが人気です。完全新作も準備中です。

これらのベースになったOS-3241(=始祖のサウナパンツ)ですが、おそらく現存するサウナパンツの源流ではないかと考えています。

関西で生まれた始祖のサウナパンツをもとに、別の地域のメーカーさんがクライアント(温浴施設)から依頼を受けて作ったであろう亜種のようなサウナパンツをこれまでいくつか確認させて頂いております。

今回愛でていくサウナパンツについて


マニア(プロサウナパンツァー)にはもうお馴染みですね。


やっと言及するタイミングが来ました。

ATー796です。

コチラは中京エリアのメーカーさんが製作したものらしく、都内ですとカプセルイン大塚さんなんかが確かこのサウナパンツだったと思います。

画像のものは長崎佐世保のサウナサンさんで使われていたものです。

始祖との差異


並べて置いてみました。上が亜種、下が始祖です。

形に置いて、差異はほとんどないように見えます。

しかしながら私の目はごまかせません。

亜種は実はおけつパネルが大きめ=左右のパネルが削られてます。


しかしこれは意図がちょっと読みとりづらい変更点ですね。。。

ウエストサイズを変えずに”おけつパネル”を太くしちゃってるので、始祖と比べて相対的に運動量が削られてしまっています。(そもそもがありすぎるくらいあるので支障はもちろんありません)

企画者のお尻が丸かったのか、極端に足が細かったのか、別の意図があるのか謎です。。

意図があればいつか聞いてみたいです。

履いた時の見た目はより”おけつパネル”が強調されてて可愛いです。

生地はおそらく綿ポリの混紡と思います。比率も似たような感じではないかと思いますね〜。

縫製が一番違う

もう一回この画像見て欲しいんですが


亜種の方が始祖と比べてステッチワークがわかりやすくなってますね。


始祖はボディ同色の糸を選択しており、亜種は配色です。

このオレンジx白の配色、アウトドアっぽさあって可愛いですね〜。

腰回りの縫製は二本のステッチが走っています。

※これ、すごく珍しく感じるんですが、詳しい人いたら教えて欲しいです。さらにいうと縫いはじめと終わりが見えないんです。。。謎。


さて、悩みまくってもあれなので本題に。

コチラの亜種(AT-796)はおそらく、始祖を元にワークウェア的発想でアレンジされてますね。

その証拠が縦の縫製のラインです。

表面はコチラ


裏から見ると


二本針の巻縫いチェーンステッチです。

デニムなどでよく見られる縫製です。

こういう仕様が出てくると一気に「らしさ」が出てきますね。

ここまでで見ると、

始祖=品のあるドレッシーなサウナパンツ

亜種=無骨でワークスタイルなサウナパンツ

と言っていいと思います。

ちなみに始祖は一種類のミシンで縫えますが、

亜種は最低でも2種類のミシンが必要になりますね。(多分3種使ってます)

そういう差が、

例えるならヨーロッパのデザイナーズ/アメリカのワークウェアというような印象の違いをもたらすわけです。


どうですか?なんとなく伝わりますかね〜?

まぁどちらも良さがあって最高なのは間違い無いです。

受け継がれるイズム

さて、前回の記事でも取り上げた「ゴム交換用の穴」ですが、

サウナパンツ
今回の亜種はワークウェア的な文脈で作られているため、期待していませんでした。

デニムなども縫製時に「引き返せない場所」というのがあったりしますし。

「ガツっと丈夫に縫う」のがワークウェアの良さでもあるので。

表面はコレ


裏から見るとこんな感じ


一見、ガチガチに縫われている印象です。

しかしよく見ると


うっすらとゴムが見えていますね。

そう、まさかのネーム裏に窓がついている!


ドレッシー/ワークの解釈の差はあれど、

きっちりとイズムは引き継がれていました。。。


「長く使えるように」というアイデアがデザインに活きています。

また、始祖ほど大胆な形ではなく、ネームで隠すという工夫によって一層見た目に違和感のない形で”思い”が具現化されています。

サウナパンツに込められた”思い”が形は変わっても残っている感じ、

すごくロマンを感じますね。

さらに、サウナパンツも愛でたいの第三弾も近日公開できそうです。

これはこれで面白いと思いますのでぜひお楽しみに。

ではまた〜。

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