こんにちは。サウナグッズ研究室です。
実は先日、しらかばスポーツ施設メンバーのジートピアさんで
「ウィスキング施術中に倒れた人が出た」ということで連絡をいただきました。
諸々の収集がつき、そこで得た貴重な情報や知見について共有させていただきます。
しらかばスポーツやマグ万平さんなどがSNS、メディアなどでウィスキングを広めるために活動していますが、
あくまでもキレイな部分、編集された物語であることも頭の片隅に置いておいていただければ嬉しいです。
僕たちはしらかばスポーツ発足当時から、
日本において「ウィスキング」はまだまだ文化として浅いと考えており
イベント参加や施設メンバーの取組みにおいても慎重にノウハウを溜めながらやってきています。
なのでそういった実績がない状態で「ウィスキングイベントやります」「ウィスキング教えます」というのは、ちょっと早いのでは?という気がしています。
※理由は読んでいただければご理解いただけると思います
事件発生
2020.1.5 しらかばスポーツ施設メンバーであるジートピアさんから
「ウィスキング施術中に倒れた方が出た」との報告がありました。
施術は施設メンバーの黒田さんです。
ジートピアでは一番の経験者です。
観察を怠らずに施術を短縮してくださっていたようですが
お客様は意識を失ってしまったようです。
そのタイミングでの正確かつ迅速な対応もあり
失神してしまったお客様も数分の休憩で
「自分で歩ける、言葉にしっかりと応答できる」レベルまで復帰されたそう。
とはいえ大事をとって救急車で病院へ行っていただき、検査も受けていただきまして
後日ジートピアさん、しらかばスポーツでできるだけのケアをさせていただきました。
その方に匿名でインタビューをさせていただくことができました。
Yさんインタビュー
プロフィール
Yさん(仮名)35歳 サウナ歴3-4年くらい
ー 以下インタビュー部分 ー
太字がポニョリオン
今日はよろしくお願いいたします。
よろしくお願いいたします。
先日、ジートピアさんでのウィスキング直後に倒れられて、
救急車に乗っていただき病院で検査を受けていただきました。
まず、ウィスキングを広める側として大変申し訳ございませんでした。
その後の体調はいかがですか?
不調もなく過ごしています。
それはよかったです。具体的にはどのような検査を行っていただいたのでしょうか?また、病院の方は原因について何かいってらっしゃいましたか?
検査の内容としてはMRI、CT、動脈からの血液採取ですね。
血液のPh値がアルカリ性に傾いてたと言われました。
状況的に脱水症状ではないか?との見解でした。
倒れた時にとっさに黒田さんが支えてくれて、外傷もなくその日のうちに帰れました。
なるほど。僕たちウィスキングマイスターもイベント後など熱中症のような症状が出たり、脱水症状みたいなことになったりすることもあります。
当日の体調って今振り返るとどうでしたか?
全然普通で快調でした。
ウィスキングの予約が昼過ぎに取れたので、数時間前から水分補給でお茶を飲んだり、軽くご飯も済ませて準備していましたね。
施術前に黒田さんから「水分補給はされてますか?」とのヒアリングと、施術中にもお水を飲ませてくれました。
僕らはイベントなどでかなり水を飲む&塩を舐めるようにしてるんですが、それでも脱水や熱中症っぽくなることがあります。
ちなみに普段のサウナはどんな感じで過ごされますか?
普段のサウナのペースは。週2−3で毎回3-4セットはやる感じです。
大体サウナに10-12分、水風呂に1分程度入ります。
アウフグースなどがあれば受けたい派で、受ける時は大体最後までいますね。
なるほど。サウナ歴的にも全然ビギナーではない印象ですね。
普段運動などはされてますか?
たまにジョギングするぐらいですかね。
当日のウィスキングの施術中はご自身の中でどういう感じでしたか?
結構熱いのを我慢したような感じですか?それとも気がついたらフラーっといっちゃった感じですか?
途中から息が上がっていく感じはあったけど、特にいつもより我慢したつもりはなかったですね。
アウフグースなどを何度も受けたことがありますが、あれのクライマックスを最後まで受けきるほどの我慢はしてないですね。
そうなんですね。正直すごく我慢されたのかと思っていたので意外です。僕たちも「明らかに我慢しているな」というお客様には一回クールダウンしてもらったり、施術をアレンジして軽い内容にしたり気を使っています。その意識を失ってしまう瞬間の体感って覚えてらっしゃいますか?
頭がぐわんぐわんして意識が遠のく感じでした。
す〜ごい気持ち悪い感じで、全く体に力が入らない感じでした。
声は聞こえてるけど応答できない、目も見えてるけど認識できないみたいな。
当日施術した黒田さんからも状況はヒアリングしていて、
いわゆる倒れる前になんとか支えられ、意識が戻るまでの介抱の方法や救急車の迅速な手配など、的確な対応ができていたようです。
頭を打ったりもなく、意識が戻った段階で大事をとって救急車に乗っていただいて、検査を受けてもらいました。
意識が戻った時の体感って覚えてらっしゃいますか?
意識自体はずっとあって聞こえてるし見えてるんですが、全く体に力が入らないため口も手も動かないイメージです。何よりも気持ち悪い感じがすごくて、何を言われても構ってられないような感じですね。
で、だんだんと気持ち悪さが治ってきて、普通の状態に復帰していくようなイメージでした。
なるほど。で、落ち着いた段階で自分で帰れそうだったけど、こちら側からお願いして救急車に乗って検査を受けてもらったという流れですね。
病院から戻ったあとはどういう感じでしたか?
少し頭痛と、疲労感は残ってました。
そのあと寝て、朝起きたらほぼ普通の調子に戻りましたね。
若干疲れはあったかもしれませんが頭痛はなかったです。
僕らがウィスキングイベントで脱水とか熱中症っぽくなっちゃう時とすごく似てます。頭痛くなったり、気持ち悪くなったりとか。ひどい時は翌日のイベントに出れなくてメンバーにサポートしてもらいました。
これを聞くのは正直怖いのですが、
もうウィスキング受けたくないと思われますか?それとも受けたいと思いますか?
気持ち悪くなる直前までは全然気持ち良かったんで、是非もう一度受けたいですね。 次は水と塩分をこまめにとって望みます!
そう言っていただけてとても嬉しいです。いつになるかは分かりませんがその際は是非僕にやらせてください!
是非よろしくお願いします。
ー インタビュー終わり ー
まとめ
どうでしたでしょうか?こんな話、なかなか聞けないと思います。
快諾してくださったYさんには本当に感謝です。
さて、ここで大事なポイントが
・施術側が気にかけていて、受ける側も気にしているのに起きた
・受ける側が無理をしているつもりがないのに起きた
・たまたま運がよくて怪我がなかっただけ
という点だと思います。
これが、
経験の浅い人が
もしもの時にきちんと支えてあげられなかったとしたら?
そこが仮にテントサウナでストーブに倒れ込んでしまっていたら?
と考えると非常に怖いなと感じます。
僕たちは経験値を共有し
わかる範囲と、思いつく限りではありますが
リスクに備えたルーティンや身ごなしでウィスキングしてきました。
そして今回の事故でも、有識者に話を聞き、ルーティン自体のブラッシュアップと、起こったときの対処法をまとめて共有しています。
また今後も同様に、地道にそれを続けていくつもりです。
ウィスキングに関して少し怖いイメージを持たれたかもしれませんが
コレがリアルなウィスキングのリスクだと思います。
しかし、リスクがないサービスはありませんし、
ウィスキングはすごくいい文化だと考えています。
ではどうやって正しく広めていくか?
ここをしっかりと考えて、今後の活動に活かしていきたいと考えています。