こんにちは!サウナグッズ研究室のnoteです。
個人的にも大好きなサウナ施設、ニューウイングさんの館内着も愛でたい。
今回は「ニューウイングさんの館内着」についてマニアックに深堀していきます。
施設の中にいくつもの ”罠” を張る吉田支配人。
(読んだことない人はこちらを読んでからの方が楽しめるかも?)
そんな施設の館内着に迫るノンフィクション。
長いですが、是非最後まで読んでいってください〜。
館内着についての考察
館内着。
※画像はサンプルです
館内着って「そそられ」ますよねぇ?。
サウナ好きならおそらく心に持っているであろう
「推しの一着」
もっといえば、
「なんで販売してくれないの?(おこ)」
って思う館内着もありますよね〜?笑
※施設さんによってはもちろん販売されています
見た目が可愛い。着心地がいい。
施設が好きすぎて何でもいい。
その服を着る時、「やっと〇〇にこれた〜」という
頭のスイッチが切り替わるような「あの高揚感」
また、施設内における「ユニフォーム感」
その服を脱ぐ時、楽しかった時間は終わりを告げ、
シンデレラのように魔法が解けて現実に向かわなければいけない。
という「別れの切なさ、儚さ」も同時に感じられる服。
そういう魅力が館内着にはあると思います。
で、今回注目したいのがこちら。
錦糸町ニューウイングさんの館内着です。
このベースボールシャツをデザインソースにした感じ、
他で見たことないし、
めちゃめちゃイイですよね。
コレ、僕は「あんまりみないな〜」と感じるポイントがありまして、
ちょっと長くなりますが説明させて下さい(笑)
まず館内着(というか衣類)を分類すると、
①布帛(フハク):伸びない生地を使う
例:シャツ、サウナパンツ、デニムなど
いわゆる“織り物”を縫製しています
②カットソー:伸びる生地を使う
例:Tシャツ、スウェットなど
いわゆる“編み地”を縫製しています
③ニット:編んである
例:セーター 縫製ではなく編みモノと呼ばれます
に大別できます。
ここで、みなさんの思い浮かべる
“館内着” を、
施設と共にイメージして10件程度リストアップしてみてください。
そのリストを持って、
「〇〇はコッチだな。」
というふうに以下の分類を当てはめていってもらえると面白いかもしれません。
館内着における分類
作務衣、浴衣、ガウン系は概ね ①布帛(フハク) で、
コレらは“前開き”が多いですね。
羽織って、帯やボタンで留めるようなやつです。
生地自体を引っ張ってもほとんど伸びません。
次にこういう“頭から被る”系は ②カットソー が多いです。 ニューウイングさんもこちらを採用されてます。
ボタンなどがついているケースもありますが概ね被ったら終了です。
生地自体は引っ張ったら伸びます。
ちなみに頭から被る=カットソーというわけでもないです。↓コレは布帛(フハク)
とはいえ形をみて判断で大丈夫です。ざっくりで。
ちょっと例を出しておきます。
①の施設
しきじさん、北欧さん、草加健康センターさんグループ、かるまるさん、プレジデントさん、オリエンタルさん、アダム&イブさん、庭の湯さん、スパジアムジャポンさん、センチュリオンさん、神田セントラルさん、神戸サウナさん、ジートピアさん、大東洋さん、ニュージャパン梅田さんなど
②の施設
ニューウイングさん、鶯谷サウナセンターさん、レスタさん、池袋プラザさん(コスモプラザ赤羽さん)、ウェルビーさん、ユーランド鶴見さん、大垣サウナさんなど
ちょっと難しいかもしれませんが、
まぁ楽な気持ちで当てはめてみてください。
その割合はどうだったでしょうか?
で、コレは僕の体感ですが館内着の割合って
①布帛(フハク)が6-7割
②カットソーが3-4割
くらいの割合ではないでしょうか。
もしかしたら①の方がもっと多いケースもあるのではないかと睨んでいます。
※逆に②の方が明らかに多い人は施設名を教えていただけると嬉しいです。サウナパンツのように「地域差があるか?」などの可能性を研究したいので。
どうでしょう?みなさんの想像している館内着は上記の割合に当てはまりませんでしょうか?以降「当てはまる」という前提で進めますが、まぁここで当てはまらなくても実は大丈夫です(笑)
こういう割合になる原因は、個人の想像ですが「洗濯工賃の安さ」とかが原因かもしれませんね。あとは「地元に①ないしは②の工場が多い」などで地域差が起こる可能性はあります。
つまり、ニューウイングさんでは
ポイント①
少数派であろうカットソー素材の館内着が採用されています。
袖について
これは僕の体感ですが、②カットソー衣料の
「袖の仕様」について、おそらく8割〜9割程度がセットインスリーブと呼ばれる「袖の仕様」を採用していると思います。
画像はめちゃくちゃわかりやすいセットインですね(笑)
コレはいわゆる普通のTシャツの袖の仕様で、
肩幅がどこからどこまでか簡単に測れるやつです。
特に最近は
「ドロップショルダー」
「肩をはずして着る」
みたいなキーワードが流行っているので余計割合が高まってる気がします。
こういうのですね。
残りの1〜2割は、
いくつか種類があるのですが、
その中でもラグランスリーブをニューウイングさんでは採用されています。
コレまたわかりやすいラグランです。
”肩幅”がわかりませんね(笑)
この袖の仕様の場合、「肩幅」はありません。
※あとで何故かわかると思います。
ポイント②
ここでも少数派である可能性が高いわけです。
ちなみにちょっと角度を変えて、
NWさんの館内着はベースボールシャツがデザインソースになっていると考えられます。
ベースボールシャツでの袖の仕様の割合としては
ラグランとセットインが
五分五分、ないしは
40% : 60% くらいになるかな?って感じです。
※上記のグーグル検索結果を眺めているとそんな感じがします。
つまり
ラグランの採用率が普段着に比べめちゃめちゃ上がる
わけです。
ここまでをまとめると、雑な統計ですが
日本の館内着を無作為に100種類抜き出した場合に
60-70社が "布帛(フハク)"
30-40社が ”カットソー” を採用しているとして
"カットソー"の中でも
通常の衣料でいえば90%が、
運動用のユニフォームでいえば50-60%がセットイン
というイメージなので、
仮に間をとって8割がセットインとすると
カットソー&ラグランって全体の10%くらいかな?って感じなわけです。
ちなみに、先ほど挙げた②のグループでは
ニューウイングさん、
池袋プラザさん(コスモプラザ赤羽さんも?)、
鶯谷サウナセンターさん、
大垣サウナさんが カットソー&ラグラン ですね。
※池袋プラザさんは6/25に追記。。。行きすぎて目が曇りました。。。
こういう共通項、興味出ちゃいますよね〜。
若干大袈裟ですが、
起こりにくい確率を超えて何かが存在する時、
意思を持った誰かが介在する可能性が高いです。
つまり、
コレは誰かが ”デザイン” している。
サウナセンターさん、大垣サウナさんも是非取材したいのですが、
取り急ぎ、ニューウイングさんにお伺いした際、色々聞いてみました。
<インタビュー>ニューウイングさんの場合
ポニョ:こちらの館内着ってなんで ”ラグランスリーブ” なんですか?
吉田さん:コレ、ラグランっていうの?(笑) コレ作るときさぁ、メーカーのデザイナーさんに来てもらって、色々作って試したんだけどさ、ウチのお客さんってさぁコレ着てゴロゴロ、ダラダラするじゃん?
ポニョ:そうっすね。堕落しに来てますからね。
吉田さん:で、なんていうかダラダラ状態とかの時ってさ、 なんかみんなこんな感じになんのよ。※下画像の右男性みたいなポーズ
ポニョ:あ〜なんかそういうポーズしがちですね。
「うわぁ〜。。。」とか「やられました〜。。。」みたいな。
うつ伏せ、横向きでもこう脇が開くような、近い形になりますね。
吉田さん:でしょ?で、色々作ってもらって試したんだけど、
普通のやつ(※おそらくセットイン)だと、すごい肩のあたりがグシャグシャってなってなんか見た目がいやだったのよね〜。なんかみっともない感じっていうか。そういうのお客さんも相互に見るから。まぁそういう細かい修正を伝えて、何回も作ってもらって今の形になったのよ。
ポニョ:まじっすか?それラグランがどうとかの知識なしに行きついたのけっこうすごいですね。
吉田さん:そう?そういうもんなの?
<インタビュー部分終わり>
解説させていただきます(笑)
まずはいわゆる ”普通” の袖についてですが
コレ、ポイントが「日常生活においてほとんど、腕は垂直(多分水平の間違い)より下の場合が多いので腕部分のシワを軽減させることができるのが特徴」ってとこです。
要するに
「肩から肩までを体(身頃)」
「肩から先を腕」
として
「腕を水平以上に上げない」想定で型紙を作っています。
なので
この袖の仕様で、サイズが合っているものを着用していれば
「気をつけ状態から水平まで腕を上げる場合」には
それほどシワが入りません。(やってみてください)
つまり裏を返せば
「腕を水平よりも上にあげている状態」
というのは設計時にほぼ勘案されていません。
上の画像のように「肘を上げて自分の首の後ろを掴む」ような場合には
シワがよります。(鏡を見ながらやってみてください)
対して、ベースボールシャツや、スポーツ系のウェアで
急にこの袖のシェアが増える理由がなんとなく伝わりますかね?
こちらは
「首の付け根から脇を繋いだ線の内側」を「体(身頃)」
「首の付け根から脇を繋いだ線の外側」を「腕」として、
「動くこと」を前提に型紙を作っている訳です。
ちょっと前に流行った
「童貞を殺す服」みたいなイメージで「身体」を捉えている訳ですね〜。
ちなみにこの服の元ネタ、みなさん知らないと思うんですけど
「同じ時代を生きている”聖人”」ことジャッキー・チェン氏なんですね〜。
ポーポー is オリジネイター。
はい。
ラグランスリーブです。
もしラグランの服なら、
さっきの画像のように「肘を上げて自分の首の後ろを掴む」ようなポーズをとった場合
ゼロにはなりませんが
シワを袖先、脇の方に逃すことができるという訳です。
(もしラグランの何かを持ってたらやってみてください)
どうでしょう?
知識なし、感性だけでこの「答え」出せます?
すごくないですか?
※メーカーさんがめちゃくちゃ根気よく頑張ったであろうことはもちろんいうまでもありません。
せっかくのこういう機会なのでちょっとの間館内着をお借りして、
サイズを測りました。流石に今回は分解できないので(笑)
測定表がコチラ。
サイズスペックはこんな感じです。
「肩幅」ないですよね?(笑)
ラグランの場合は 「裄丈(ゆきたけ)」 で 表現します。
実はサイズをチェックした際に、うっすらとした違和感がありました。
それは「若干着丈長めかな?」です。
コレも上記のインタビュー時についでに聞いたのですが、
吉田さん:普通の丈だとダラダラしてるとお腹出ちゃうじゃん。
とのことで裏が取れました(笑)
まさに、おっしゃる通りです。
どうでしょう?
めちゃめちゃニューウイングさん行きたくなりません?笑
今回はニューウイングさんの"罠"の中でも
館内着に込められた"罠"についていろいろ調べてみました〜。
印象的だったのは吉田さんが、
着心地はもちろん、それを着ている人のイメージを、
「お客さん同士が相互に見る」というポイントでも
こだわりがあったというところですね。
個人的には鶯谷サウナセンターさん、大垣サウナさんにも
「何故その館内着になったのか」を聞いてみたいですね〜。
※別に「館内着の仕様や採用した生地」で施設を評価したい訳ではなくて、
ただそこに「疑問」があり「ストーリーと答え」があったからご紹介させてもらいました。